2023年の3月末で和歌山県橋本市の自然栽培農家での2年間の研修を終え、8月から奈良県明日香村で自然農を始めました。
実は奈良市で野菜とお茶栽培をする予定で、奈良市に引っ越しをしたのですが、いろいろ問題が発生し、そこでの農業を諦めることになりました。
そこから、再度、奈良県内で農地探しをし、ご縁があり、明日香村で自然農をすることになりました。
耕さない自然農を選んだわけ
農業研修では、土地をトラクターなどの機械で耕し、無農薬・無肥料で育てる自然栽培という方法を学びましたが、現在、私は、草刈機以外の機械を使用せずに、自然耕さず、無農薬・無肥料の自然農という方法で農業をしています。
土は動植物の命が積み重なって層になっていきますが、機械で耕してしまうと、今まで積み重なった命の層やその層を支える植物を根っこを破壊してしまい、命の循環が途絶えてしまいます。
機械で耕すと、一時的には土がふかふかになったように感じるのですが、命の層が崩れてしまっているので、
命の循環を守り、自然に寄り添った農業をしたい気落ちと一般的にはやっていくことは難しいと言われている自然農をどこまでやれるのか、一度、試してみたいという気持ちが大きかったです。
割合は少ないのですが、愛媛の島の自然農園さんや中谷自然農園さん、徳島の沖津陽一さん、福岡県の故・松尾靖子さんの農地を引き継がれた自然農野菜・一草さんなどが自然農で営農されています。
明日香村での農業について
奈良県明日香村は小さい農家さんや兼業の農家さんが多いです。
毎週金曜日には明日香ビオマルシェというオーガニックの農家さんなどが集まり、マルシェも開かれていて、若い移住者の方を中心にオーガニックの意識が高い方が多いです。
また自然農をしていますが、周辺の農家さんともトラブルにならず、逆に『頑張ってるな。』と言ってもらえたりしていて、比較的やりやすい環境です。
問題点としては獣害の問題、広くてやりやすい農地が少ないことや平地が少ないので、畦が法面(のりめん=斜面)になっているので、草刈りが大変です。
場所にもよりますが、大体の場所は電柵などの獣害対策は必要です。
私の借りている農地の周りには村の人が設置した電柵があったのですが、それだけでは獣害の被害を防ぐことができず、自分で電柵を購入し、対策をしています。
まとまった農地が少ないので、機械を使って、広い面積をやる農業はあまり向いておらず、私のような小さい農業の方が向いていると感じています。
半農半Xや兼業で農業をしたい方は良いかもしれません。
一反の農地から
私の畑は明日香村の立部(たちべ)という地域の高台にあります。
そこからは金剛山、葛城山、二上山、畝傍山などの山々を一望できます。
2023年の8月からそこの1反の広さの農地から始まりました。
その農地の問題だったのが、ゴミが多かったのと毎日、猪が入ってきて、朝、行くたびに農地が凸凹になっていました。
本当にやっていけるのかという不安な気持ちを持ちつつ、毎日、ゴミを拾い、農地周りに電柵を張りました。
なかなか減らないゴミに少し凹んでしまうこともありましたが、すこしずつですが、綺麗になったところから畝を立てていき、自然農の畑を形作ってゆきました。
朝早くから夜遅くまでやっていたので、周りの畑をやっている人も認識してくれたのか、声をかけてくれたり、他の農地のお話も頂いたりしてきました。
これからについて
現在は他の仕事もしつつ、自然農をしています。
最初は自然農だけをしていたのですが、現状はそれだけでは生活はできないので、最低限の生活費を稼ぎつつ、少しずつ拡大してゆきたいです。
また新たな農地を開墾中で、水捌けが悪いところなので、難しいこともあるのですが、改善し、夏野菜を育ててゆきたいです。